STYLIST’S VIEW


どこまでも自分らしく


「なんで美容専門誌に載れないんだろう?」「カリスマと呼ばれている美容師さんたちと自分の差は何なんだろう?」そんなくすぶった思いがあったんです。そんなときに東京で偉大な美容師さんと出会いました。東京に行けば行くほど、その美容師さんに会えば会うほど刺激がもらえて……。この時期、僕の心の中に「東京に行きたい!」という気持ちがなかったとは言いきれません。でも、その美容師さんは「まず『関西で一番!』の美容師として西村さんの名前が上がってくることが大切なんじゃない?」っとズバッと言ってくれたんです。同じころ僕のモヤモヤを察して、現在『Jurrian-may』で活躍しているMakkyは「有名になりましょう」って僕に言ってくれました。
こんな僕のことを心から応援してくれる偉大な美容師さんが東京にいる。僕を心から慕ってくれるMakkyが大阪にいる。そう思ったら「東京に行きたい」と出かかっていた言葉はぐっと飲み込むことができたんです。


とにかく手を動かして頭に、髪に、触れる。サロンワークでも作品づくりでもこれが僕の基本です。美しいヘアデザインを提供するには触診するのが一番です。触れることで頭の形を確かめながら、髪を動かしながら、髪の質や癖を手でつかむ。触診すれば今の状態だけでなく、前がどんな状態だったのかもわかります。そしてその上でベストだと思うデザインをつくる。
今日のモデルさんは、グラフィックデザインの勉強をしている芸大生。変化することを楽しんでいました。でも僕は、ただ個性的なヘアスタイルにするのではなく、彼女に本当に似合っていて、彼女のもともとのよさがきわだつスタイルにしたいと思ったんです。だから黒にカラーリングして彼女の素のよさが出るショートヘアにしました。ふわっとゆるっと可愛らしい雰囲気をまとわせるのではなく、ダイレクトに彼女の魅力を出すことにしたんです。黒もショートもごまかしのきかないスタイルです。でもそれを選ぶことで「ごまかさなくても素敵だよ」って僕は伝えたかった。
HAIR STYLE




AFTER THE BEAUTY AWAKE
長く美容師を続けてきて、引き出しの数も増えれば、その引き出しに入っている中身も増えてきているように感じています。今は、「引き出しから何を出そうかな?」とか、「あの引き出しを今度いつ開けようかな?」という楽しみがいっぱいです。今後、自分がどんな美容師になっているかわからないけれど、1年後は、たぶん変わっていないだろうな。3年後は、ちょっとじじいになっているかな。5年後は、またさらにじいさんになっているかもしれないな。10年後は、やっぱりあんまり変わってないんだろうな。僕はここでずっと美容師をやっているから、いつか会えるよね。いつか会おうね。今はそんな感じでいます。
西村晃一
Nicole.オーナースタイリスト
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