STYLIST’S VIEW




当時は、今のようにネットで簡単にいろいろなことが調べられなかったけれど、僕は、気になったらすぐに調べて、心が動いたら即!行動派。すぐに渡英することにしました。ロンドンではスクールに1年通い、本来なら1年で帰国しなければならないところ、本物の「カット」のカッコよさを教えてくれた人との出会いをきっかけにロンドンに残ることを決めました。僕の美容師人生は、ここで決まりましたね。
「カット」は僕にとって呼吸のようなもの。なくなったら、僕が僕でなくなってしまいます。
とはいえ、どれだけ僕が髪を切ることが好きでも、それをお客さまに押しつけてはいけないと思っています。それは「ヘアスタイルを見て!」という髪型だけが主張しているような「カット」はしたくないからです。頭だけに目がいくのではなく、お客さま全体に焦点がいくようなヘアスタイルがつくりたい。街の中にお客さまがいたときに、その街になじんでいながら、すっと素敵な存在感を放っている。それが理想です。そのためにはヘアスタイルだけがひとり歩きしていてはいけない。お客さまを目の前にすると、こんな感じもいいし、ああもしたいといろいろ似合うヘアスタイルが浮かびます。そのいくつものスタイルの中から、お客さまとコミュニケーションをとり、密かに自分の中で闘いながら(笑)、そのときに最善だと思う着地点を見つけたいのです。

HAIR STYLE





AFTER THE BEAUTY AWAKE
ずっとずっと「カット」に魅了されてきた僕だけれど、いつのころか、それを形として残したいという思いも出てきました。そして、その形とはなんだろう?と考え続けて、最近わかったのは、残したいのは人だったんだ、ということ。その人がその人らしく美容師という人生を楽しむ。そういう人を育てて残したいのだな、と。だから、最近、スタッフが育っているのを感じるとひとりでニヤニヤしてしまっています(笑)。自分が何かをつくってコントロールするのではなくて、僕というフィルターを通しながらも好きに生きている美容師がこの後の世界で生きていると思うだけで、なんだかとても幸せな気持ちになるのです。
鳥羽直泰 VeLO代表
詳しいプロフィールはこちら





